オランダ王室 知られざるロイヤル・コレクション(2000)

Zilveren tafelstuk van de Slag bij Nieuwpoort

ハント・アンド・ロスケル社「マウリッツの勝利の記念像」 In Wikimedia Commons

  • 開催年月日: 2000/2/15-3/20
  • 開催地: 東京国立博物館 ほか
  • 入手場所: 東京国立博物館(ミュージアムショップ)
  • 内容: 日蘭交流400周年記念 特別展図録

鑑賞メモ

Workshop of Gerard van Honthorst 001

ホントホルスト「ウィレム二世の肖像」 In Wikimedia Commons

当時何度も通った特別展です。ロイヤル・コレクションというだけあって、絵画は歴代オランイェ=ナッサウ家の肖像画がメインです。ほかには、ロイヤル・バンケットや日本との関わり(日蘭交流記念なので)についての展示も企画されていました。現地の各博物館に所蔵されている品というよりも、文字通り「知られざる」コレクション、オラニエ=ナッサウ家歴史史料財団所蔵品や王室コレクションなど、一般公開されていない王室所蔵の貴重な展示品がほとんどを占めていました。

WilliamSilent Willem Jacobsz. Delff 001

デルフ「ウィレム一世の肖像」/「マウリッツの肖像」 In Wikimedia Commons

  1. 王家の肖像画 ―ポートレート・ギャラリー―
  2. 総督 ―王室以前―
  3. 王と女王
  4. 王宮
  5. 晩餐会
  6. オラニエ家と芸術
  7. 王立公文書館
  8. オランダ王室と東西交流

王室を「扱った」コレクションか、王室が「集めた」コレクションか、というイメージで、だいぶ期待値も違ってきます。この展示会は前者でしたが、世の中には後者と考えたために期待はずれと感じた人も多かったようです。確かに、通常「ロイヤル・コレクション展」というと、王室がその潤沢な資金を使って収集した有名画家の絵画などを扱ったものをいう場合が多いように思います。この展示会では美術的価値の高いものよりは史料的価値の高いものが選ばれているので、どちらかというと、17世紀オランダ絵画よりも、文書を見て小躍りするような人に向いています。ナッサウ=ジーゲン伯ヨハン=マウリッツが、皇帝フェルディナント三世からもらった公式文書、なんかは卒倒ものです。

Paleis Het Loo

スヘルフハウト(1838)ヘット・ロー宮殿 In Wikimedia Commons

図録には、展示品一点一点についての解説はあまり多くありませんが、巻末の「本論」は英文・和訳両方の記載があり、かなり詳細に記されています。

Paleis Het Loo - new diningroom 20120912-03

ルクレル工房「ウィレム三世とメアリ・ステュアートの紋章タペストリー」 In Wikimedia Commons (CC-BY-SA-3.0)