フルンロー Groenlo

※ 訪問記は2017年10月時点の情報です。

Grolla - Map of Groenlo, after 1628 (J.Blaeu, 1649)

J. Blaeu (1649) In Wikimedia Commons

フロールGrolとも呼びます。このサイト内でも、攻囲戦で取ったり取られたりで何度も出てきます。ヘルデルラントの中でも国境に近い要地でした。今でも街の大部分にオランダ式要塞を残し、旧市街は昔ながらの建物と風景が維持されています。

De Slag om Grolle 2017

公式サイト Slag om Grolle

一般: €12.50 2017年は10/21,22,23 金~日: 9:00-24:00

 

RTVによる動画(戦闘) 2017年版

この存在を知ってから憧れ続けたイベント。2012年に渡欧するものの管理人強制送還事件(という名のノーショー)が起こり、直前で帰国。あれから5年、やっと行けました! 

他の日程との都合で初日の金曜参加、且つ、交通の都合で観戦は夕方まででしたが、充分に楽しめました。むしろ土日は非常に混雑したと推測されるので、邪魔されずに観戦できた金曜で良かったかも。チケットは当日購入も可能ですが事前に公式サイトから買っておいたほうがスムーズです。3ヵ所の街の入口はすべて閉鎖され、チケットを見せるとスキャンのうえ手にスタンプを押して通してもらえます。

フルンローでは2005年を第一回とし、1627年のオランイェ公フレデリク=ヘンドリクによる攻囲戦を模した、「Slag om Grolle (SoG)」という歴史再現イベントを2-3年おきに開催しています。2017年は第6回です。毎回参加者が増えて規模が拡大しており、17世紀歴史再現イベントとしてはヨーロッパ最大にまでなりました。再現イベント専門の役者さんたちが全ヨーロッパ、最近は海を越えて米・豪などからも集まり、期間中、実際の戦闘シーンだけではなく、電気ガスなどを極力使わず当時の衣食住までを再現します。街中にもヤギやアヒルなどの小動物が放されたり、フルンロー市民扮する物売り・辻芸人などがうろうろするなど、街全体が当時の様子に近づけられます。

RTVによる動画(街中) 2017年版

1枚3ユーロで独自通貨を購入し、飲食に使います。最近、日本でもビール系イベントでよく見るタイプです。10枚だと25ユーロに割引。街中に出された露店では、普通にユーロも使えます。17世紀の扮装をした市民たちが、それっぽいものを販売しています。コスプレ衣装(鎧も有り!)や模造武器も買えます。

八十年戦争期は攻囲戦が多いため、実際に互いの兵同士がぶつかる白兵戦は、スカーミッシュ(小競り合い)と呼ばれる、数十人からせいぜい千人程度までの規模でおこなわれました。万単位がぶつかる大規模な野戦に比べると、確かに数としての迫力には欠けますが、この再現イベントでは兵数も当時の実態に近く、兵の一人一人がシナリオと役割を分担する細かい演出も可能です。

Groenlo, Netherlands - panoramio (2)

In Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0) 堡塁の内外を分ける橋。ここを通ってフィールドに向かいます。

写真は250枚前後撮りましたが、役者さん方の個人情報等の都合もあるので、ここでのご紹介は風景等にとどめます。公式サイトによれば、期間中の観光客は30,000人、戦闘に参加した役者さんたちは15の国から1,600人だとか。  

フルンロー市立博物館 Stadsmuseum Groenlo

Groenlo, Netherlands - panoramio (1)

In Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

公式サイト Stadsmuseum Groenlo

一般: €3.00 5-10月/火~土: 10:30-16:30 ※ミュージアムカード使用不可

ミュージアムカード使用不可なものの、小さな街の博物館として良心的な価格です。SoG期間中は、街自体への入場料がかかるため博物館は無料。少し古典的なサイトながら、コレクションをウェブ上で見れるのもありがたい。管理人の行きたかった博物館のひとつ。今回SoG2017と同時に訪問。フロールの市内には入口が3ヵ所ありますが、バスターミナルに最も近い入口からすぐのところです。

Groenlo, Netherlands - panoramio (3)

マルクト広場。中央の建物はレストラン『フレデリク=ヘンドリク』 In Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

八十年戦争に特化した博物館。しかも街の性格から、八十年戦争期の中でもフレデリク=ヘンドリク時代中心の稀有なラインナップとなっています。1Fは3室あり、フロールの街のジオラマ、肖像画を中心とした展示、ミニシアター。シアターはオランダ語に英語の字幕付きで、八十年戦争を簡易に説明していてわかりやすい。 2Fは別時代を扱っていますが、3階はずらりと版画です。もちろん、1627年の攻囲戦のものがメインとなっています。 学芸員さんは皆話好きで親切。模擬戦のフィールドには1時間前に行っておいたほうがいいよ、とアドバイスしてもらったので、ベストポジションに陣取れました。お茶も€1.50で提供してもらえます。イベント中はカフェより安くて落ち着けて良いかも。

アクセス

リヒテンフォールデ=フルンロー駅からバス10分程度。さらにバス停から堡塁内の市内へは10分くらい歩きます。