フェルメールとその時代 日蘭交流400周年記念特別展覧会(2000)
フェルメール(フィケレッリの模写)『聖プラクセデス』 In Wikimedia Commons
特別展覧会「フェルメールとその時代」
- 開催年月日: 2000/4/4(火)~7/2(日)
- 開催地: 大阪市立美術館
- 主催: 大阪市、毎日新聞社、毎日放送
- 後援: 外務省、文化庁、オランダ大使館ほか
この『聖プラクセデス』、2014年に個人所有品が競売にかけられ、10億円超で落札されたそうです。 しかも落札者は日本人で、その後上野の国立西洋美術館に寄託されました。以来常設展に展示されています。
鑑賞メモ
フローム(1615)「西から見たデルフトの眺望」 In Wikimedia Commons
大阪市立美術館単独開催なのと、同時期東京・名古屋での『レンブラント、フェルメールとその時代』とタイトルが酷似しているため、まったくアンテナに引っかかってきていませんでした。これも日蘭交流400周年記念事業の一貫です。慌てて図録を入手しましたが、35点と小規模ながら、東京・名古屋に比べ格段にコンセプトがしっかりしていると思います。個人的には最も気に入っている図録のひとつです。あるひとつの海外美術館からまとめて借り受けるのではなく、あちこちから集める手法で、フェルメールを中心に、「デルフト派」の作品を集めています。フェルメールが一挙5点は国内最大かも。 図録表紙等中心となるのはここでも「真珠の耳飾りの少女」なので、冒頭には別な作品を挙げてみました。
- 都市の眺望および景観図
- 教会内部図
- 静物画
- 肖像画
- 風俗画
- ヨハネス・フェルメール
フェルメールの「デルフト眺望」は門外不出品に指定されているため、フェルメール以外の画家の眺望作品が複数。また、デルフト新旧教会を含め、教会内部を描いた作品が複数。さらに、風俗画と静物画の構成になります。肖像画は集団肖像画のみです。
ファン・フリート(1658)「トロンプの墓碑のあるデルフト旧教会内部」 In Wikimedia Commons
ピーテル・ステーンウェイク(1656頃)「「トロンプの死の寓意」In Wikimedia Commons
コルネリス・デ・マン(1670頃)「金を天秤にかける男」In Wikimedia Commons
暖炉の上のマウリッツの肖像画にご注目
ファン・デル=プール(1650頃)「デルフト旧教会沿いのかがり火」In Wikimedia Commons
冒頭の絵画以外のほかのフェルメールはこちら。
フェルメール『リュートを調弦する女』/フェルメール『天秤を持つ女』 In Wikimedia Commons
今「真珠の耳飾りの少女」と呼ばれている作品、過去には「青いターバンの少女」とされていましたが、このときもそうですね。
フェルメール『真珠の耳飾りの少女』/フェルメール『地理学者』 In Wikimedia Commons
図録の最後部に、フェルメール全作品一覧がカラー画像付きで載っています。そういった書籍はあると思いますが、図録におまけで収録されているのはめずらしいのでは。